《用語一覧》
・骨董店 夢現堂(こっとうてん むげんどう)
近代化と歴史が入り交じる水鞠町(みずまりちょう)の商店街……『水鞠商店街』の一角にある怪しい骨董店。
その歴史は江戸時代から始まったとされる。
夢現堂(むげんどう)は信憑性の高い噂から根も葉もない噂まで、様々な噂をされている奇妙な店で、周囲からは『幽霊屋敷』と呼ばれている。
この店の骨董品には妖(あやかし)が憑依しており、その危険度は様々。
全く害のないものから人間に害を成す恐れがあるものまで存在するが、人間に害を成すものは、陰陽師の血を引く主人が力ずくで躾ている。
また、表向きは『店』と名乗ってはいるものの、夢現堂の真の目的は『骨董品に憑依した妖を収集し、管理すること』。
故に、この店の噂の一つでは『この店の骨董は余程の事がないと売ってもらえない』と言われている。
・妖(あやかし)
妖怪や幽霊などの総称。
妖(あやかし)と一括りにしていても、その種類は様々である。
鬼や妖狐のような名のある妖怪。
名もなく力も強くないもの。
死した後も成仏できずに幽霊となったもの。
その全てが、妖に該当する。
・霊感
妖をその目に映し干渉をしたりされたりする為に必要な力・体質のようなもの。
霊感の有無や強さは人それぞれで、ただ見えるだけの人、妖が見えるし干渉も可能な人、はたまた全く見えない人、中には気配だけ感じ取れる人など、個人差がある。
・能力
人間が持つ力の一つで、霊感とは異なる、人間や妖などに影響を与える事ができる力を指す。
例えば、能力が『治癒』であれば、傷付いた人間や妖を癒す事が可能となる。
だだし、人間が持っている能力は基本的には一つだけとされ、能力を持たない人間の方が圧倒的に多いとされる。
・陰陽師
代々妖祓いを生業とし、妖を管理してきた者達。
陰陽師の能力や特性も数多あり、その陰陽師によってできる事も様々だが、妖を祓い、従わせる事が基本とされている。
一人前の陰陽師ともなると、一種の魔法とまではいかないが、所謂『属性』を纏った『術』や『技』のようなものが扱える。
また、何かしらの『術』を使うには発動の条件があり、『五芒星』かその陰陽師が司る『属性』を模した『紋』を指先で描くか、『印』を結ぶ事で、その『霊力』が『属性』に変化し、それを身体に纏う事で発動可能状態となる。
陰陽師は全員霊感と何かしらの能力が一つあるものとし、扱える『術』の数や強さはその陰陽師の熟練度によるものとされている。
しかし、陰陽師は如何に弱くとも『式神術』、『結界術』、『呪術』の三種類は必ず一つずつ習得しているものとし、これを満たしていない者は『陰陽師』の肩書きは名乗れないものとする。
・陰陽師見習い
陰陽師になる事を志す者達。
その才能や技術力には個人差があるが、いずれも陰陽師程の実力はなく、未熟である事は否めない。
一人前の陰陽師のような『属性』を纏った『術』や『技』は扱えず、修行中の身である為、強力な式神や結界、呪いを扱う事も不可能とされる。
陰陽師見習いは霊感が必ずあるものとされているが、能力は一つで、扱える『術』も初級レベル~中級レベル程度のものとされている。
また、『式神術』、『結界術』、『呪術』の三種類の内、一つでも扱えれば『陰陽師見習い』の肩書きを名乗れるものとする。
・術
陰陽師が扱える、人間が持つ『霊力』を元に修行でその力を成長させたもの。
『術』の種類は、『式神術』、『結界術』、『呪術』がある。
・式神術
『式神術』は、式神を使役する術で、種類は『思業式神(しぎょうしきがみ)』、『擬人式神(ぎじんしきがみ)』、『悪行罰示神(あくぎょうばっししきがみ)』の三種類である。
※『思業式神』…陰陽師の思念が込められた事により創られる式神。思業式神は姿形が自由に変えられるが、力の弱い陰陽師が強い式神を創り出す事は難しいとされる。
主に『守護(バリア・障壁の役割)』の側面が強い。
(可能な事…式神による対象への攻撃(物理攻撃含む)、式神による対象からの物理ダメージの防御、招福効果など)
初級レベル…サイズの小さい(小さな生物や小人など)、力の弱い式神を創り出せる。戦闘には不向きだが、諜報活動や監視やお届けものなどには有効。
『守護力』…お守りや幸福を呼ぶ程度。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
中級レベル…サイズは小~中(生物や人型なら子供など)、腕力で言えば大人の人間くらいで、戦闘時にも有効。
『守護力』…ダメージを軽減できる程度。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
上級レベル…サイズは小~大(幻獣や人型なら大人など)、腕力で言えば岩が砕けるくらいで、戦闘時にも有効。
『守護力』…ダメージを完全に防げる程度。
(陰陽師のみ使用可能)
※『擬人式神』…人形型をした『式札(しきふだ)』と呼ばれる和紙札、草や藁で作られた『藁人形』などに霊力が込められて作られた式神。人形に意思が込められていると『上位式神』、意思がないものは『下位式神』と呼ばれる。式札が陰陽師の術法によって使用されると、使役意図の能力を持った動物や異形などに自由に姿形が変えられる。陰陽師の界隈で最も使用される頻度が高い式神である。
主に『身代わり(呪いの肩代わり)』の側面が強い。
(可能な事…式神による対象からの呪いへの防御、呪い返しなど)
初級レベル…意思のない『下位式神』のみ使役可能。また、そのサイズは小~中(生物や人型なら子供など)、戦闘力は低い。
『身代わり力』…呪いを軽減する程度。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
中級レベル…意思のない『下位式神』のみ使役可能。また、そのサイズは小~大(幻獣や人型なら大人など)、戦闘にも有効。
『身代わり力』…呪いを完全に防ぐ程度。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
上級レベル…意思のない『下位式神』、意思のある『上位式神』が使役可能。また、そのサイズは小~大(幻獣や人型なら大人など)、戦闘にも有効。
『身代わり力』…呪いを完全に防ぎ、相手に跳ね返す程度。
(陰陽師のみ使用可能)
※悪行罰示神…過去に悪行を行った妖怪や悪霊などを倒し、服従させる事で使役できるようになった式神。ただし、陰陽師の能力が低ければ逆に式神に呑み込まれるという危ない式神でもある。
(可能な事…対象への物理攻撃及び物理防御、対象の呪いへの防御など)
(陰陽師のみ使用可能で、これにはレベルによる振り分けはない)
・結界術
『結界術』は、空間に結界を張り妖の侵入を防いだり、逆に結界内に妖を閉じ込めたりする術で、『九字護身法(くじごしんぼう)』や『五芒星(ごぼうせい)』を用いる事が一般的である。
だが、稀に『九字護身法』や『五芒星』以外の『紋(もん)』を用いる者も存在する。
初級レベル…『九字護身法(くじごしんぼう)』を用いる事で、格子状の結界を発動させる。対象数は1人程で、展開範囲は単体に限られる。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
中級レベル…『五芒星(ごぼうせい)』を用いる事で、自由な形状の結界を発動させる。対象数は1~4人程で、展開範囲は一部屋分程。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
上級レベル…『紋(もん)』を用いる事で、自由な形状の属性を付与された結界を発動させる。対象数は1~8人程で、展開範囲は家一軒分程。
(陰陽師のみ使用可能)
・呪術
『呪術』は、人間や妖、何かしらの物体に呪い(まじない)を施し、対象を呪う術である。
基本は、紙や木に霊力を込めて『呪符』としたり、虫などの生き物を用いて儀式を行い呪物化する方法や、式神を憑依させて妨害させる方法などがある。
初級レベル…対象に病気や怪我をさせる程度の呪いを付与する。ただし、これには発動までに3日程の時間を有する。対象数は1人。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
中級レベル…対象に病気や怪我をさせたり、対象に苦痛を与える程度の呪いを付与する。また、これは即発動させる事が可能。対象数は1~4人。
(陰陽師・陰陽師見習い共に使用可能)
上級レベル…対象に呪縛を掛けて行動を制限したり、命を奪ったりできる程度の呪いを付与する。呪縛であれば即発動が可能で、命を奪う場合は1週間程の時間を有する。対象数は1~2人。
(陰陽師のみ使用可能)
☆陰陽師はこの『式神術』、『結界術』、『呪術』を、一人前に近付けば近付く程、全ての術をより強力に扱う事ができるとされている。
・属性
ここで語られる『属性』とは、陰陽道における『五行』の概念を指す。
木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に、それぞれ勝つとされ、力の強い陰陽師はこの何れか一つを有する術が使えるとされる。
司るのは、
木は、植物・雷。
土は、大地・砂。
水は、水・氷。
火は、火・光。
金は、鉱物・石。
また、陰陽師見習いは『属性』を伴う『術』や『技』は扱う事ができないとされる。
・技
陰陽師のみが扱える、『属性』を伴った『術』以外の技術の事を指す。
『技』はあくまでも『術』を使う際の補助的なものである為、強力な力や殺傷能力はないものとされている。
また、『技』を単体で使う事も可能である。
・主人
骨董店 夢現堂の店主を指す。
江戸時代から続くこの骨董店は、陰陽師の血を引く者が代々主人を務めている。
夢現堂の管理や書類の処理、店員の業務指示などが主な仕事だが、時折来客として訪れる『骨董品の買取り』、『骨董品の売却』も、この主人が行う。
また、『骨董品の買取り』に関しては出張も行っており、主人が外出する際は店員に留守を任せたり、逆に補佐として同行を頼む事もあるようだ。
・店員
夢現堂の主人の元で働く店員。
奇妙な噂の的であるこの店で働く理由は様々だが、その誰もが主人に認められる『何か』を持っている者ばかりである。
例えば、霊感が強い者、優れた能力を持っている者、陰陽師の末裔である主人に弟子として教えを乞う者、主人に補佐として雇われている者、家事が得意な者、何だか面白そうだからと主人が雇い入れた者などがいる。
才能ある者は勿論、縁あった者は気まぐれに懐へ招くらしい。