デュラララチャット(仮)なりきり雑談掲示板

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  • 【誰でも】ロル回し練習/リレー【参考程度に】

    荒らしはお断り、初心者上級者問わず歓迎
    No.4048287
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    OK,ロルについてのスレ立てといこうじゃないか諸君。
    閲覧ありがとう、参加者が必要だから是非見ていってくれ。
    趣旨としては、主に有志によるロル回し、あとはロル回しが下手だと悩む人への助言、ロルの練習、こんなロルどう?って質問、等々。

    やり方は簡単。前者の上げたお題に添って、好きなシーンでロルを回す。
    ロルは練習、お手本をかねて中~長推奨。別に短でも構わないけど、勉強になるようなものだととても有難いですね。質問や助言の場合はお題無視して書き込んでOKですよ、次の人がお題を使えばいいですから。
    ロルも小説風、漢文風、終始連用なんでもござれ…思い付いたときに匿名でどんどん書いていってくれると大変嬉しいです。

    前の掲示板で似たようなのあったんだけど、覚えてる方いるかな…。
    それではお題は「手紙」で。

  • 手紙
    No.4049266
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    「あら、手紙かしら…?」
    日が昇り始めた朝、郵便箱を確認したら一通の手紙が入っていた。

    白い髪を揺らして彼女は緩く口角を上げて微笑む。
    「こんな私に贈るなんて物好きな人ですねぇ、」

    妙に間延びした声を独り言のように呟いて家に入って、早速開いてみる。

    「てんしさまへ
    ままがねむりからおきません。おこしてあげてください。」

    日本語しかなく、ところどころ文字が反転しているところを見ると幼稚園児程度の子だろう。
    眠りから起きない。意識不明ということだろうか。

    「ふふ、しょうがないですねぇ。」
    羽を出して太陽に向かってそっと目を閉じて発する。

    「神である私が命じます。この子の母親を起こしてあげて。」

    あの子が書いたものには一つ間違いがある。
    私は天使ではなく、神なのだ。

    /スレ立て感謝です。
    次のお題は「家族」で!!

  • 名無し
    No.4055911
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    俺はロルうまないからやらんけどあげー

  • 名無し
    No.4060251
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    支援あげ

  • 名無し
    No.4064434
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    しえーーん

  • 名無し
    No.4064626
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    家族らしいんで短いながらにやらせていただきます
    いつからだろうか、僕の家族はバラバラになってしまった。
    お母さんはいつも機嫌が悪いし、お父さんはいつも僕とお姉ちゃんの成績ばっかりこだわっちゃうようになって、お姉ちゃんは...自分の部屋に引きこもりがちになっちゃった
    ああ、友達の家族は、あんなにも幸せそうなのに、みんなで遊園地に行ったり、家族団らんだし、
    僕は、僕らの家族は、あの頃みたいに戻れるのかな...
    /次は「光と闇」でお願いしまーす

  • 光と闇
    No.4066063
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    そこは路地裏。街灯の光もこちらには届かずあるのは欲しが一つも見えない墨汁を倒したかのような暗く醜い夜の空。まるで闇を象徴しているようだった。
    俺は煙草をふかして歩く。
    俺はここにいていいのだろうか。此処に居ると俺自身も闇のよう思えてくる。
    はぁ、とため息のように吐く煙は淡々と、坦々と音もなく消えていく。

    ふと、俺に光が当たった。暖かく、それは少し冷酷な光。
    うそだ。そんなはずはない。まだ路地裏だ。街灯なんかが届くはずもない、それなのに……

    上を見上げる。墨汁を倒したような真っ黒の空には美しく輝く満月が顔をのぞかせていた。

    「な、んで……」

    口から零れ出るそんな言葉。月が出たり雲によって隠れたりするのは当たり前だ。しかし俺にとってはどこか不思議な感覚に陥るような魅惑の光に見えた。

    だめだ、おれはやみなんだ。
    やみなんだよ

    手で頭を覆ってしゃがみ込む。猫が鳴いたような…無音なはずなのにそんな鳴き声が聞こえる。

    「そこのおにーさん、何しとるん?俺でよけりゃ話してくれない?」

    //
    よくわからない炉留に成ってしまった……
    次ノ第は
    「平和」

  • 翰林奏史
    No.4066118
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    寰宇の蒼穹に赫灼たる烽火の焔絶え、干戈の鋒鋩悉く韜晦せしめられ、四海の疆域悉皆寂謐を恢復し、万邦の黎庶悉く安堵の裡に涵養され、兵戈の禍患悉く払拭され、天下泰平の瑞祥赫然として顕現せしむるを以て、真の「平和」と謂うべきである。

    “日常”

  • 名無し
    No.4068025
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    平和 な 日常 。
    はて、そんなモノ何処に置いてきただろうか、

    日常
    その日の常事であると我は解釈しよう。

    その日常が、汝らにとって
    日常
    では無きとするならば

    それは
    日常
    などではなく
    異常
    と見られることに我は不思議でたまらぬ。

    此処に居る我も
    之を見る汝も

    一度、日常と言う名の鳥籠から抜け出し、客観的に見ること。

    之また一興である。

    な?汝もそう思うだろう?

    __
    next↺《《鎖》》

  • 鎖に繋がれた反逆者
    No.4068167
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    (薄暗い路地の一角。今はもう使われていないであろう工場跡地に、俺はいた。二人がかりで抑えられ、足は鎖で縛られている。視線の先にはソファのような質感の艶やかな椅子に座った一人の人、この組織のボス。電気も通っていない薄暗い室内だと言うのにサングラスを身につけ、俺を真っ直ぐ見つめている奴の視線は俺の何を見ているか分からない。不気味だ。しかし奴の口は渋い表情をしている。それはもう俺に何の希望も無いことを残酷に突きつけている。俺はもうすぐ死ぬのだろう。奴のことは本当に嫌いだったから反逆した訳だが、やはりここまで追い詰められると生きたいと思うものだった。もう命乞いをするしかないか。諦めた顔をしないように気を付けながら、俺はとにかく必死な表情で奴に頼み込む。)
    「お願いです、命だけはどうか!」
    『組織に楯突いておいて、命だけは助けてだ?ちょっと面貸せ』
    (その願いは無駄だったようで、間髪を容れずに返される。元々希望は1%も無かった訳だが、余裕綽々なのが癪に障る。俺を抑えていた二人が乱暴に彼を突き出す。面を貸せって、物理的な意味かよ。そうツッコみたかったが、今の俺がそんなことをほざけばすぐにでも俺の頭は爆ぜるだろう。腕を思いきり後ろに押さえ付けられているせいで奴に危害を加えることもできない。
    絶望。そんな言葉が浮かんだ。後は野となれ山となれだ、捨て台詞でも吐いてやろう。そう思い口を開いたが、自分の耳に高らかな笑い声が届く方が早かった。思わず口を噤む。)
    『面白ぇじゃんかお前。ちょっと待ってろ』
    (俺を抑えていた手下たちが奴のジェスチャーに応じて一度裏へと捌けていく。訳が分からない。唖然とする俺に手下達が持ってきたのは、鎖だった。結局俺はお眼鏡にはかなわなかったようだ、希望を抱かないでおいて良かった。反抗する気も失せている俺には必要ないような気もするが、ここでちゃちな反抗をする理由も無ければ最早抵抗する気力も無く、両手両足を縛られた俺は床に横たわる。頭を守ろうとも思ったが、ここは潔く散るべきだ。天井を仰ぎながら、最後に言いたいことを言いきることにした。特大の捻くれた笑顔を見せながら遺言を告げる。)
    「早く殺れよ。何グズグズしてんだこんだけの人数統べてる癖に。」
    (奴が不敵な笑みを浮かべる。俺の遺言を気に入ったのか?どうせ先の鎖のプレゼントと同様だろうがな。次は弾だろ、来いよ。もう失う物は命しか無い。
    永遠とも思える時間の終わりを告げるように、銃声が響いた。不思議なことに、痛みは感じなかった。感じるのは意識が消える感覚だけ。しかし意識が飛んでいく最中、俺は見てしまった。奴が俺から目を背けるところを。「汚い存在で悪かったな。」そんな最期の言葉が声になったかどうかを知る由は、俺には無かった。)

    苦手ですが頑張って書いてみました。
    次のお題は「ナンパ」でお願いします。難しければ道端なら何でも。

  • お嬢ちゃん♡
    No.4070671
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    ねね、おじょーちゃん♪ちょっと俺とイイコトしない?
    (現在時刻は日も高く上ったお昼時。財布をちらりと見せて彼はそうやってナンパする。

    さて、貴方には誘いに乗る、乗らないを選択する権利がある。
    その権利を無理やり選択、強制されることは
    こんなちっぽけな炉留という世界では無理なこと。

    さぁ、選ぶのだ。このちゃらんぽらんな男の誘いに乗るか否か……ね。)

    次のお題箱「究極の二択」で

  • 名無し
    No.4071552
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    (鉛筆を握る手が汗ばむ。問題用紙をめくるたび、胸の奥が熱くなる。今年こそいける。この八年間、何度も涙を飲んだが、今日は違う。今の俺は、問題が解ける。合格を掴める。そう確信した矢先に、)

    ……っ!?

    (突如として腹に鋭い痛みが走る。まるで腸をねじ切られるような感覚に、思わず体が震えた。ダメだ、こんなところで……!と自分を鼓舞して時計を見る。残り時間はあとわずか。もし今離席したら、全問解くことはできない。けれど、このまま耐えたとして、集中力が持つのか?額にじわり、じわり、と嫌な汗が滲む。手が震える。ペン先が紙を擦る音すら遠のいていく。)

    クソッ……!

    (下唇を噛みしめながら、紙に視線を戻す。しかし、問題の意味がまるで頭に入ってこない。腹痛が強まる。意識が揺れる。選択肢は二つにひとつ――この場で耐え抜くか、それともトイレに駆け込むか。息を詰める。心を決めなければならない。)

    //

    次のテーマは「劣等感」か「優越感」、好きな方をお選びください

  • 匿名
    No.4072910
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    「あ~ぁ、君なんかが調子に乗るからいけないんだ」

    この僕は自他ともに認める完璧な優等生であり、学年首席。

    僕は僕の周りに寄ってくる金に目がない女共とは違う。女どもはほんと醜くて哀れで僕が優越感に浸る材料でしかない。

    そして今僕の目の前で這いつくばってる彼女は
    僕のストーカーさん。
    ほんと僕ってばストーカーを捕らえるなんて、優秀だよ。警察に突き出せば僕は心配してもらえるし、褒められるだろう。

    考えれば考えるほど優越感が胸を満たす。

    _その優越感に足元をすくわれるとも知らずにね_

    //
    次のお題は「主従」で!

  • 匿名希望
    No.4079389
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    しえんあげ

  • 名無し
    No.4085491
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    支援

  • 古の名無し
    No.4085857
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    見渡す空は何処までも続く曇天。遠方から聴こえてくる雷はやがて来る夕立の先触れだろうか。まだ降る前から山々の緑の匂いが一段と強くなっている。

    ある山の神域へ空から落ちた箒星の神に仕えている阿行の狛狐でいらっしゃる我が主様。炎の気質が強い主様は雨にめっぽう弱く、湿り気の強い空気に今にも降り出しそうな現状では雨に濡れる懸念で動くに動けないのだろう。雨宿りに立ち寄ったであろうこの洞窟の入口で、空を見上げていた紅き眼差しを此方に向けた主様はいつもの柔和な笑みに何処か寂しげな色を落としていた。

    その双眸には私の姿が揺らめいて見えるのにも関わらず、何処か遠くを見つめているように思えてならない。お社にいる阿吽の片割れ様と離れ離れの状態がお心苦しいのだろうか。今一歩お側へと近寄ることで、私の熱でせめてそのお身体だけでも温めることは出来まいか。舞い上がる火の粉にお側へと寄るのを躊躇う私に主様は不意に手を伸ばして抱き寄せた。

    「大分冷えてきた故、お前の温さが心地好いな。燐華。」

    耳元で聞こえる大らかな声音が響けば自身の感情を表すように私を成す輪郭の焔が揺れる。

    私は貴方様の意志により生まれた焔。私は貴方様無しでは生きることのままない焔。貴方様だけが触れられ、貴方様だけに触れることが出来る焔。

    貴方様に名を呼ばれるだけでどれだけ私の心が打ち震えることか。

    貴方様に見つめられるだけでどれほどその刹那が永遠であれと願うことか。

    誰にでも心優しい貴方様は、きっと知らない。

    たかだか狐火如きがこんな風に主に懸想をしているなんて。

    ──────

    お粗末様です。次のお題→『忍ぶれど』

  • 名無し
    No.4088364
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    あげ

  • 名無し
    No.4095238
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    支援

  • 名無し
    No.4111395
    [編集/削除]

    age

  • 名無し
    No.4113763
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    月の光が淡く降り注ぐ、秋の夜長。虫の音がりんりんと響き渡る中、平兼盛は自邸の書斎で、文机に向かっていた。しかし、その手に持つ筆は一向に進まない。硯の墨は乾き始め、上質な料紙にはまだ一文字も記されていなかった。

    兼盛は、ふう、と深く息をついた。その息は白くならぬまでも、夜気の冷たさを帯びている。彼の視線は、開け放たれた格子窓の外、中天にかかる朧月へと向けられていた。月影の下で、彼の脳裏にはただ一人の女性の面影が繰り返し浮かび、そして消える。それは、先日の歌合で垣間見た、ある高貴な姫君の姿だった。控えめながらも気品に満ちた佇まい、ふとした瞬間に見せた憂いを含んだ眼差し、鈴を転がすような可憐な声…。思い出すだけで、兼盛の胸は甘く締め付けられるような痛みを覚えるのだった。

    兼盛(内心):
    「ああ、あの方のことを思うだけで、このように心が乱れるとは…。この身分、この立場では、軽々しく想いを口にすることなど、できぬ相談。ましてや、あのように雲の上におわすお方に対してなど…」

    彼はぎゅっと唇を引き結んだ。この燃えるような恋心は、決して誰にも悟られてはならない。己の胸の内に深く、深くしまい込み、誰にも気づかれぬように、平静を装い続けねばならぬのだ。それが、宮廷に仕える者としての、そして何より、あの方への敬意の表れだと信じていた。

    兼盛:「…よし。気を取り直して、公務の文を仕上げねば。」

    彼は自らに言い聞かせるように呟き、再び筆を取った。しかし、一度乱れた心は容易には静まらず、書き始めた文字はどこか震えているように見えた。

    日々の公務、宮中での務め。兼盛は努めて冷静に、普段通りに振る舞おうとした。しかし、心の内は常に波立っていた。同僚たちとの談笑の輪に加わっていても、ふとした瞬間に心が上の空になり、話の内容が耳に入ってこないことがある。和歌の会に招かれれば、自作の歌を披露する際にも、どこか言葉に力がこもらない。むしろ、他の歌人が詠む恋の歌に、過剰なほど心を動かされてしまうのだった。

    ある日の昼下がり。清涼殿の渡殿を歩いていた兼盛は、ふと庭先に咲く菊の花に目を留めた。その色鮮やかな美しさに、彼はまたしても姫君の優雅な装束を重ね合わせてしまう。そして、知らず知らずのうちに、深い溜息が漏れた。

    友人A:「おや、兼盛殿。いかがなされた? 何やら浮かないお顔で、大きな溜息をついておられたが。」

    背後から声をかけられ、兼盛ははっとして振り返った。親しい友人の一人である貴族が、心配そうな、それでいて少し揶揄うような表情で立っていた。

    兼盛:「ああ、いや…何でもない。少し、考え事をしていただけだ。この菊が見事だと思ってな。」

    慌てて取り繕う兼盛だったが、その声は微かに上ずり、表情もどこか不自然だった。友人は怪訝な顔をしたが、それ以上は追及せず、肩をすくめてみせた。

    友人A:「ほう、さようか。だが、近頃の殿は、どうも物思いに沈んでおられることが多いように見受けられるぞ。何か悩み事でもおありかな?」

    兼盛:「いやはや、そのようなことは…」

    彼は作り笑顔で手を振り、その場を足早に立ち去った。背中に友人の訝しむような視線を感じながら、兼盛の心臓は早鐘のように打っていた。

    兼盛(内心):
    「いけない、いけない…。これでは、あまりに分かり易すぎるではないか。もっと…もっと、平静を装わねば。」

    数日後、内裏の庭園を散策していた兼盛は、思いがけない光景に足を止めた。向こうの小径を、数人の女房に囲まれて、ゆっくりと歩いてくる一行。その中心にいるのは、紛れもなく、彼の心を占めて離さない、あの姫君だった。

    秋の柔らかな陽光が、姫君の艶やかな黒髪と、淡い色の袿を照らし出している。遠目にも分かるその気品と優雅さに、兼盛は息を呑んだ。心臓がどきりと大きく跳ね、全身の血が沸き立つような感覚に襲われる。彼は咄嗟に近くの木の陰に身を寄せ、息を潜めてその姿を見守った。姫君は傍らの女房と何か言葉を交わし、小さく微笑んでいる。その笑顔が、まるで矢のように兼盛の胸を射抜いた。

    兼盛(内心):
    「ああ…なんという美しさだ…。」

    見つめているだけで、頬が熱くなるのを感じる。動悸はますます激しくなり、呼吸すら少し苦しい。彼は必死に平静を装おうとしたが、身体は正直だった。

    同僚B:「おや、兼盛殿。このようなところでお会いするとは奇遇ですな。…む? どうかなされましたか? お顔がずいぶんと赤いようですが。もしや、日の光に当てられすぎましたかな?」

    偶然通りかかった別の同僚が、兼盛の異変に気づき、声をかけてきた。兼盛はぎくりとし、慌てて袖で顔を覆うようにしながら答えた。

    兼盛:「あ、いや…少し風が冷たいものでな。それより、何かご用向きかな?」

    努めて落ち着いた声を出そうとしたが、動揺は隠しきれなかった。同僚は不思議そうな顔をしながらも、用件を話し始めたが、兼盛の意識は、遠ざかっていく姫君の後ろ姿に釘付けになっていた。

    兼盛(内心):
    「危なかった…。まさか、顔に出ていたとは…。これほどまでに、私の心は脆かったのか。」

    その夜、兼盛は最も親しい友人の一人である藤原朝忠(ふじわらのあさただ)の邸に招かれていた。二人きりで酒を酌み交わしながら、和歌や世間話に興じていたが、兼盛はやはりどこか上の空だった。庭の紅葉が月光に照らされて美しく輝いているのを、ただぼんやりと眺めていた。

    朝忠は、しばらく黙って杯を傾けながら、そんな兼盛の様子をじっと観察していた。彼の目には、いつもの明晰で機知に富んだ兼盛とは違う、どこか心ここにあらずといった友の姿が映っていた。心配と、そして長年の付き合いからくる勘が、何かあると告げていた。

    朝忠:「…兼盛よ。」

    静かな声だったが、その響きには重みがあった。兼盛ははっとして視線を庭から朝忠へと移した。

    兼盛:「ん? 何かな、朝忠殿。」

    朝忠は真っ直ぐに兼盛の目を見据え、ゆっくりと言葉を続けた。その口調は穏やかだったが、探るような響きを含んでいた。

    朝忠:「いや、近頃のお主のことだ。どうも様子がおかしいように思われてな。上の空であったり、深い溜息をついたり…。まるで、何か重い物思いにでも沈んでいるかのようだ。」

    兼盛はどきりとした。核心に近づかれていると感じ、反射的に否定しようとした。

    兼盛:「そ、そのようなことは…。少し疲れが溜まっているだけかもしれぬ。」

    しかし、朝忠は兼盛の言葉を遮るように、さらに踏み込んできた。

    朝忠:「ほう、疲れか。だがな、私にはそうは見えぬのだ。その伏し目がちな様子、ふとした瞬間の表情…まるで、誰かを強く想い、そのことで心を悩ませているかのようにも見える。…なあ兼盛、正直に申してみよ。もしや、物や思ふ、のではあるまいな? 恋でもしているのではないかと、そう人が問いたくなるほどに、お主の様子にはありありと出ているぞ。」

    「物や思ふ」「恋でもしているのではないか」——その言葉は、鋭い刃のように兼盛の胸を貫いた。

    兼盛は息を呑み、言葉を失った。顔からさっと血の気が引き、次いでじわりと赤みが差していく。隠し通せていると思っていた。誰にも悟られまいと、必死に心を抑えつけてきたつもりだった。それなのに…。最も親しい友の、真っ直ぐな指摘の前で、築き上げてきた平静の壁は、あっけなく崩れ去った。

    『忍ぶれど』——そう、心に固く誓っていたはずなのに。
    『色に出でにけり』——なんと、顔色や態度に、これほどまでに出てしまっていたとは。

    兼盛は、もはや言い繕うこともできず、ただ動揺と羞恥に染まった顔をわずかに伏せるしかなかった。観念したような、諦めたような、そしてどこか、指摘されてしまったことへの安堵感のような、複雑な感情が入り混じる。

    朝忠は、そんな兼盛の反応を見て、すべてを察したようだった。それ以上は何も言わず、ただ静かに杯を差し出した。

    兼盛は、震える手でその杯を受け取った。彼の心の中では、今しがた友に問われた言葉と、自らの隠しきれない想いが交錯し、一つの歌の形を成し始めていた。

    忍ぶれど
    色に出でにけり わが恋は
    物や思ふと 人の問ふまで

    (——ああ、隠そうとしても隠しきれないものなのだな、この恋心というものは。とうとう顔色に出てしまって、他人に「何か物思いでもしているのですか?」と問われるほどになってしまったことだよ…。)

    兼盛は、胸に込み上げる切なさと、露見してしまったことへの苦い思いを噛み締めながら、月光に照らされた庭の紅葉を、再び見つめるのだった。秘めたる恋の炎は、その色を隠すことなく、彼の頬を、そしておそらくは彼の詠む歌をも、鮮やかに染め上げていくのだろう。

    お次_卑弥呼。

  • 名無し
    No.4121745
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    なんか沈んでるなと思ったら、限りなくスマートな手段で機能停止に追い込まれている(シンプルに難しいお題の指定)。

  • 名無しの白猫
    No.4125348
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    「卑弥呼」

    全く、全く!イライラしてしょうがない!
    ため息をつきながら、侍女に伝えられた今日の仕事内容を反芻する。
    占い、神託、占い、雨乞い、また占い。
    これが今日だけの仕事であれば良いのだがそうはいかず、毎日毎日同じようなことを繰り返すばかり。スマホも無ければテレビもなく、目新しさも楽しさも面白さも全て無に等しい。正直バックれるかストライキでもしたいが、そうすると民が困ってしまう。
    さて、どうしたものか……。しばし思案した後、パッとあることを閃いた。私天才か。
    善は急げと言うし、侍女を呼び、早速行動に。

    『どうされましたか、卑弥呼様?』
    「壱与を呼んでちょうだい」

    私の言葉を聞いた侍女は『かしこまりました』とだけ答えて下がる。
    そんなやりとりが繰り広げられて数分、簾の向こうから少女の声が聞こえてきた。

    『卑弥呼さま、卑弥呼さま。壱与です。入っても?』
    「ええ、入りなさい」

    キタキタキターーー‼︎!
    そう叫び出したい気持ちを抑えて答えると、おずおずと部屋へと入ってくる壱与ちゃん。
    うーん、今日も可愛い!百点!

    『壱与になにかご用でしょうか?』
    「ふふ…実は、また貴女のお話を聞きたくてね。今日は何か、面白いことはあったかしら?」

    私の言葉を聞くと壱与ちゃんはぱぁっと目を輝かせ、簾の前に正座する。

    『はい、はい!ございました!今日はですね、ご飯からのりを作っていたのですが…』

    始まった。
    彼女は幼いながらも話が上手い。簡単に引き込まれるし、表情もころころと変わるから見ていても飽きない。
    あ〜、なんて可愛いんだろ。

    『…卑弥呼さま?聞いていらっしゃいますか?』

    おっといけない、壱与ちゃんの可愛さに見惚れてぼーっとしてしまっていた。ぺちぺちと両手で自分の頬を叩くと、穏やかな声で返事を返す。

    「…ごめんなさい。疲れたのかしら、ぼおっとしてしまっていたわ。もし良かったら、もう一度話してもらっても良いかしら?」
    『…!はい、勿論でございます!』

    私の声を聞くとさらに瞳を輝かせ、意気揚々と、嬉しそうに日常の出来事を話す壱与ちゃん。
    今の私……「卑弥呼」に生まれてしまった私には、これこそが唯一の癒しなのだ。
    嗚呼、ずっとこの時間が続いていたら良いのに。
    そんなことを考えながらも、私は壱与ちゃんの話に耳を傾けるのだった。

    卑弥呼に生まれ変わってしまったある現代人の独白、みたいな感じです。
    いや難しいな?????

    お次のお題、簡単めに「親友」で!

  • 名無し
    No.4132482
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    age

  • 名無し
    No.4141652
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    あげげげの

  • 名無し
    No.4152404
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    あーげあーげ

  • 名無し
    No.4153044
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    「あたし、しーちゃんのそういうとこ、好きだな。」

    いきなり親友の楓からそう言われて、私は思わずぎょっとしてしまった。
    いけない、と思い「えー?急にどうしたのかえちゃん〜」と彼女の背中を叩く。

    きっと私は彼女のことが好きだ。
    きっと、というのは元々私たちは昔からの親友…いわば幼馴染であって、彼女を恋愛対象として思ったことが今までなかったのである。
    でもふとした彼女の仕草、声、趣味、ギャップがどんどん私の心を傾けられたのだろう。

    だが、私達は親友であり女同士なのだ。告白したとしてもドン引きされて距離を取られるだけだろう。
    気まずい関係になるくらいなら、このまま親友として一緒にいた方がずうっと良い。

    「…しーちゃん?ぼーっとしてるけど大丈夫そ?」

    「……あっ、ごめん、ちょっと考え事しちゃってた!」

    心配そうに顔を覗き込む彼女にどきりとしたものの、へへ、と笑ってごまかす。

    やっぱりかえちゃんのこと、好き…。
    あーあ、どっちかが男だったらいいのに、と馬鹿な事を考えながら彼女のことを見つめる。

    「もお、なんでそんなに見てくるの〜」

    照れちゃうでしょ、とからかいながら私のおでこをコツっとする。
    こちらもなんでもないよぅ、とにやにやしながら頭をチョップする。

    きっとこの関係だからこそ居心地がいいんだ、と自分に言い聞かせる。
    そうじゃないと歯止めが効かなくなる。

    ああ、私はかえちゃんのことが好き。全部、好きなんだ。と身に染みて感じる。

    きっと私はこの呪いにまとわりつかれたまま、彼女と一緒に過ごしていくんだろう。
    そう思いながら彼女の手を握り、たわいない話をしながら歩き出した。

    (昔からの親友のことが急に好きになっちゃった馬鹿な女の子のお話。即興、そして拙すぎる小説ロルで申し訳ないです。
    次のお題は「孤独」でお願いします。

  • 名無し
    No.4155450
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    あっげー

  • 名無し
    No.4162314
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    あげ

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