大まかな世界観の説明です。まだ草稿なので皆様のご意見ご指摘によって変化させたり、後程細かいところも加筆修正していくつもりです。
【世界観説明】
『ガリミア大陸』
この世界の舞台となる大陸であり、現状発見されている唯一の大陸。
というよりこの世界の住人の多くが他に大陸が存在するという発想にさえ至らない。
それは後述する『世界樹信仰』が大きく関わっている。
おおまかに四つの国、連合、同盟と一つの自治区によって構成されており、それぞれ独特の気候や文化を持つ。
『世界樹』
大陸の中心部にある巨大な木。2000メートル以上の高さ、幹の直径は500メートルにもなる。常緑樹であり、一年に一度実を付ける。
樹齢は不明。伝承によれば少なくとも数千年以上前から存在していたといわれている。
『世界樹信仰』
『世界樹』こそが世界の中心であり、神に等しい存在だと解釈する信仰。この大陸において最も多くの人々が信仰している。教えの一つとして、『この大陸は元々小さな孤島であり、世界樹が生えたことによって土地が広がり大陸となった』とする樹創説がある。これにより、住人の多くがこの大陸以外に大陸が存在するとは考えない。何故なら大陸の何処からでも見える世界樹が他にあるなら海の向こうからでも見えるはずだからだ。そう、この世界では世界は平面であり、この世界を中心に太陽や月、星々が回るという天動説が多くの人々の思想として根付いている。
『聖都"ナーサリーライム"』
『世界樹信仰』を基に造られた『世界樹』を守るための都市。どの国にも属さない自治区であり、『世界樹信仰』の聖地。御神木である『世界樹』を中心に最大上空100メートルにもなるドーム状の結界が都市を覆っており、高い耐久力を持つ。そのため外敵の侵入や攻撃を許さない。
都市は円状に城壁が築かれており、四方の砦に結界を発生させる装置が設置されている。東西南北各国に続く四方の城門からしか都市に入ることも出ることもできない。
けれどその真の目的は別にある。この結界は極めて高い緩衝作用があり、落下物を殆ど無傷に保つことができる。
これにより、高所で作業している人の落下事故を防ぎ、『世界樹』の実を傷つけることなく地上に下ろし、巨大な実による都市への被害も防ぐことができる。
圧倒的な防御、耐久力こそが副作用なのだ。
ちなみにこうして落ちてきた実は人間よりも遥かに巨大にも関わらずとても甘美であり聖都では年に一度、落ちてきた実を用いた「収穫祭」が行われている。
『アンデルア帝国』
大陸北方から北東、北西部の大半を占める最も国土の広い国。元々は帝国が大陸のほぼ全土を占める統一国家だったが500年ほど前の南北大戦によって分裂、6割以上の国土を失う結果となった。当時の皇帝は現在の帝国中央部に遷都することとなった。比較的豊かな土地の残る北西部や北東部では酪農業が盛んであり、一年の多くが冬であり作物の育ちにくい北部では工業が盛んになっていった。というのも北部には山が多く、いくつもの鉱脈が見つかっていることが工業の発展に大きく関わっている。それ故に高い軍事力を持つ反面、食料自給率は芳しくないため輸入頼りになっているのが現状。国民の種族は人間が半分以上を占め、その半分ほどの獣系の亜人と、その他の種族で構成されている。モチーフはロシア
『グリアス公国』
大陸南部から南西、南東部の半分ほどを国土に持つ二番目に広い国。南北大戦において独立を謳う反帝国軍の旗印であった元帝国貴族・グリアス家が代々君主として統治している。一年の多くが夏であり、南部に向かうにつれ平均気温が高くなる。南部はいわゆる熱帯多雨林の様相を呈しており、森を切り開いた大規模な農園が広がっている。南西部は打って変わって首都を含む周辺都市が目覚ましい発展を遂げており、天下の台所といっても過言ではない、大陸の商業の中心である。安定した食料自給率と経済的発展の高さは豊かな国を思わせる反面、南部と南西部の貧富の格差が広がっている。人間、亜人、その他様々な種族が入り混じる多民族国家。インドネシア、アフリカなどがモチーフ。
『イゾルヴ=ドラート海洋連合』
かつて数多の海賊が大陸周辺の海で暴れていた時代に一大勢力を築き上げたドラート海賊団とイゾルヴ大将率いるアンデルア水軍が結託して帝国に反乱を起こした際に誕生した。国土は西部と北西部の一部だけという一番国土の狭い国だがその分海洋進出の目覚ましい国であり、海路や運河を用いた運送業で生計を立てている。また、海上都市や人工島の建設も進んでおり、着々と国土を広げている。しかし気候や災害に大きく左右されやすいのが難点。複数の地域の代表で構成された「議会」が政治を行っており、本土を統治するイゾルヴ家が議長兼連合の代表。地中海を思わせる、一年を通して温暖で乾季と雨季が分かれる気候。主に人間と水陸両生の亜人が人口の殆どを構成している。イタリア、スペイン、ギリシャなどの地中海周辺がモチーフ。
『エト及び東方諸島同盟』
大陸北東部の一部から南東部の一部に広がるエト共和国と大陸東部に広がる複数の列島、諸島の小国により構成された同盟。北東部の島々は一年を通して温暖であり四季が存在するが南東部の島々はいわゆる常夏の地域が多く、リゾート地として有名。極東のフゾウ列島は現在は様々な国と国交を結んでいるがかつては長い間他国との国交に消極的だったため、エトや周辺の島々による影響を受けつつも独自の文化や思想が生まれている。エト共和国はグリアス公国から分裂して生まれた竜人至上主義の目立つ国であり、他種族への差別意識を持つ者も少なくない。そのため国民の殆どが竜人や爬虫類系の亜人だが周辺の島々には多様な人間、亜人が暮らしており、特にフゾウは額に角を持つ鬼族が唯一生息している地域でもある。同盟と違い各国で異なる政治体制が取られており、相互不戦や集団的自衛権、国境の解放などを条件に同盟関係が締結されている。東アジア、太平洋諸島等がモチーフ。